アーユルヴェーダ・ヨガ講師 岡清華さんに伺う、日常に取り入れたい「日本式アーユルヴェーダ」(前編)

アーユルヴェーダ・ヨガ講師 岡清華さんに伺う、日常に取り入れたい「日本式アーユルヴェーダ」(前編)

世界中のトップアスリートや経営者なども実践しており、近年注目されているマインドフルネスや瞑想ですが、5000年以上前からこういった心身のととのえ方・生き方の知恵を説いているのが、インド発祥の世界最古の医学としても知られる「アーユルヴェーダ」。

そんな古代の叡智「アーユルヴェーダ」を現代の日本人にも取り入れやすいようにアレンジして、アーユルヴェーダスクール開催、プロダクト開発・販売、コミュニティー運営などを行っている、管理栄養士、アーユルヴェーダ・ヨガ講師、MOTHER株式会社 代表取締役の岡清華さんに【日常に取り入れたい「日本式アーユルヴェーダ」】をテーマにお話を伺いました。

管理栄養士として「食」に留まらず、「アーユルヴェーダ」や「ヨガ」に目覚めたきっかけ

編集部:「岡さんは管理栄養士でもありながら、アーユルヴェーダ・ヨガ講師としてもご活躍されていますが、食やアーユルヴェーダに興味を持ったきっかけは何でしょうか?」

岡さん:「元々15歳くらいの頃にダイエットを頑張っていた時期があったのですが、その頃に頑張り過ぎてしまったことで、生理が止まってしまったり、精神的に不安定になってしまったり、食事のことが分からなくなってしまったり、自分の心をコントロールできなくなってしまったり・・・・。

自分の過去のダイエット経験を元に、『自分の身体をより綺麗にしていくにはどうしたら良いだろう?』、『心を安定させたり、幸せに生きていくにはどうしたら良いだろう?』と考えるようになったことで、身体のことや食について興味を持ち、栄養学を学ぶために大学へと進学しました。

しかし、大学で学ぶ内容だけでは不充分で、自分が元々追い求めていた心と身体、食事について腑に落ちるレベルまで充分に答えを見つけられませんでした。

何か解決できる方法はないか?と模索している中で、アーユルヴェーダと出会い、自分の中で感じていた疑問や不調和を全て解決できる要素が詰まっていて、『まさに私が求めていたものはこれだ!』と直感的に思いました。

大学卒業する間際に、この人からアーユルヴェーダを学びたいと思えるアメリカ人の先生と出会ったことで、大学卒業と同時にハワイ・カウアイ島に渡り、約1ヶ月間本質的なアーユルヴェーダを学び、その中で全米ヨガアライアンスを取得しました。」

「日本式アーユルヴェーダ」を提唱するに至った理由

編集部:「岡さんはいつもスタイリッシュで、初心者の方にも分かりやすく、取り入れやすいようなアーユルヴェーダについての発信をされていますが、現在提唱している『日本式アーユルヴェーダ』を広めようと思ったきっかけを教えて頂けますか?」

岡さん:「私自身が大学卒業後にハワイ・カウアイ島でアーユルヴェーダを学んだ際に、言語が違うことで、日本語で学ぶよりも伝わり方・捉え方も変わってくるので、100%理解できているか?と言われると難しかったり、学んだことを100%実践するのが難しかったんです。

その後、自分の中で実践していく中で、言葉を越えて理解が深まっていきましたが、最初から言葉で聞いて、言葉で理解できていたら1番簡単だっただろうし、すぐに活用できる形で学べていたらもっとすんなり理解・実践できていたと思うので、そういうスタイルで学べる方法を自分自身が1番欲しかったというのが1つの大きな理由です。

ただ、アーユルヴェーダが誕生した5000年前と現代では、環境や手に入る食材も変わっていたり、昔はなかった現代病が存在しており、特に都市部で暮らしていると新鮮な食材を手に入れるのも難しければ、大気汚染・電磁波などの影響も受けているので、自分が学んだアーユルヴェーダを現代で生活しながら100%実践するのは難しいと感じました。

日本に戻ってきてからの私は、当時22歳くらいで若かったこともあり、アーユルヴェーダを現代の中でも完璧に実践するためにに仕事もせず、外出や外食もせず、まるで修行のような日々を送っていた時期もありましたが、社会から取り残されたような感覚を感じ、そこから完全にアーユルヴェーダを辞めてしまった時期もあります。

健康や幸せには社会的な健康・人との関わりも切っては切り離せないですし、時代や環境が変わったから続かないことは本質的ではないからこそ、0か100かの両極端ではなく、自分の暮らす環境・仕事・人間関係でも無理なく、ちょうど良い塩梅で、バランス良くアーユルヴェーダを取り入れることができれば良いなと思ったのも理由の1つです。

また、コロナの影響で、以前のようにインドやスリランカにアーユルヴェーダの本格的な研修・体験に行けなくなったことも後押しになりました。

現地でないとアーユルヴェーダが実践できないか?と言われると、そんなことは全くなく、日本の中でできることを探し始めた時に、日本の伝統の中にもすでにアーユルヴェーダの本質的な考え方が現地とは違う形で根付いていることに気付かされ、日本人がすでに持っているものを掘り下げていくことで、アーユルヴェーダをより日本人にとって取り入れやすい形で発信していけるのではないか?と感じ、目指す方向性を『日本式アーユルヴェーダ』に舵を大きく切りました。」

ELEMINIST 特集記事より引用

日本式アーユルヴェーダブランド「MOTHER」創設までの軌跡

編集部:「これまで多くの苦労もあったかと思いますが、MOTHER創設から現在に至るまでのストーリーをお聞かせ頂けますか?」

岡さん:「実は大学生卒業間近になっても、アーユルヴェーダに出会うまでは、自分がどんな仕事を今後していきたいか?は全く見当が付かず、想像もできませんでした。

元々誰かを喜ばせたり、笑顔にすることが好きで、アーユルヴェーダを学ぶ度に、自分が好きなことだし、自分自身も学び・取り入れたことで人生が大きく変わったので、『アーユルヴェーダを通して、多くの人を健康で幸せにしていきたい』という目標ができて、活動を始めたのが約8年前になります。

日本では欧米のトレンドは受け入れやすい雰囲気がありますが、インドやスリランカの価値観は万人受けするものではなく、当時ヨガは流行り始めてはいましたが、まだまだ駆け出しの頃だったので、最初はなかなか興味を持ってもらったり、アーユルヴェーダの良さが伝わらず、悔しい想いもたくさんしました。

そんな中でも、自分でアーユルヴェーダを実践しながら、100%の形ではなくてもアルバイト先やご縁のあるお仕事で、料理提供をしたり、自分のやりたいことを少しずつ活かしたり、SNSでの発信をコツコツ積み重ね続けました。

そうしているうちに、そろそろ自分で何か事業をしたいと思えるタイミングが来るのですが、まだ社会や会社組織というものを知らなかったので、会員制のヨガスタジオで約2年間働いて、メインではヨガインストラクターとして指導しながら、栄養指導・体質診断を行いました。

ただ、幼少期の頃からあまり協調性がある方ではなかったので、人間関係に悩んだり、仕事を楽しめなくなり、ストレスから胃腸に不調が出てしまったり、精神的にも肉体的にもボロボロになってしまい、これはもう続けられないと思い、会社から飛び出すような形で独立しました。

独立というとかっこいいイメージを持たれる方も多いと思いますが、最初飛び出した時は収入源や今後どうやって事業をしていくかも決まっていない状態だったので、周りからは『絶対上手くいかないよ』などと心ない言葉を沢山言われましたし、ドロドロしたところから、自分の中で0から1を築き上げ得ていくようなイメージで、模索しながらこれまで歩んできました。」

先が見えない辛い中でも、心の支えにしてきた「自分軸」

編集部:「そんな辛い状況の中でも、これまで事業を続けてくることができた『心の支え』は何でしょうか?」

岡さん:「仕事においても、家庭においても言えることではありますが、自分のやりたいことがあったとしても、自分1人では何もできないからこそ、誰かと一緒に何かに取り組む際、100%の自分の意見は通用しないので、何かしらお互いの歩み寄りや受け入れ合いが大事ですし、その歩み寄りの中で生まれるもの・実現できることもあるので、『何をするか?』よりも、『誰と一緒にするから、何をするか?』が決まってくると思っています。

『○○をします!』と言って人を集めるのではなく、『自分の想いや生き方、やりたいことにもし共感して下さる方がいれば、ぜひ協力してくれませんか?』というような延長線上で生まれ、コミュニティーのような形に発展していったのが現在のMOTHERの始まりで、もうすぐ3周年を迎えます。

コミュニティーのメンバーはもちろんですが、現在バックオフィスを務めてくれているメンバーも、自分の想いに共感して、集まってくれた方々。彼女たちがいたからこそ、ここまでMOTHERを成長させてくることができました。

そう言った経緯からも、『何をするか?』を先行させるよりも、『誰と一緒にするから、何をするか?』だと確信し、自分の中での人生の教訓となっています。

再春館製薬所HP 特集記事より引用

今回素敵なお話をお聞かせ下さった岡さんから直接アーユルヴェーダの活かし方や指導者としての伝え方を学ぶことができる、MOTHERアーユルヴェーダスクール第7期が開講間近!アーユルヴェーダにご興味のある方はもちろん、自分自身のみならず大切の人のセルフケア・整え方を学びたい方は、ぜひこの機会に新たな1歩を踏み出してみては?

アーユルヴェーダスクール |  MOTHER
アーユルヴェーダスクール | MOTHER
現代社会に活用できる生涯の知恵を完全オンラインで学ぶことのできるアーユルヴェーダスクール。知識だけでなく生活に活用するた …
www.mother-japan.com

後編では、岡さんの大切にしている想いや事業に対するこだわり、今後のビジョンなどについてお届け致します。

※こちらの記事は、2022年8月29日に開催したインスタライブを元に執筆しております。アーカイブはこちらよりご覧頂けます。

PROFILE
岡 清華(Sayaka Oka)
管理栄養士|アーユルヴェーダ・ラージャヨガ講師|Mother株式会社 代表取締役

1993年生まれ、兵庫県出身。武庫川女子大学にて食物栄養学を学び、管理栄養士の資格を取得。西洋医学的な健康理論・栄養学を学んだことにより浮かんだ疑問から、東洋的な観点に興味が湧き、アーユルヴェーダと出会う。大学卒業後、カウアイ島にて本質的なアーユルヴェーダを学び、その中で、全米ヨガアライアンスを取得。その後、ヨガクラス・栄養指導、「腸」に特化したフード開発、レシピ監修、イベント企画・運営などを手がける。2019年MOTHER創設、2020年Mother株式会社設立。

アーユルヴェーダの教えをより現代の日本にフィットさせる方法として“Japanese modern Ayurveda”を提唱し、ウェルネス空間のプロデュース、商品開発、イベント、セミナーなど、各事業を展開し、さまざまなメディアにてアーユルヴェーダを基にした情報を発信している。これまで累計5万人以上に、ヨガ/瞑想などを指導。2020年より、アーユルヴェーダの指導者を養成するスクールを開校し出逢った沢山の仲間と共に手を広げている。

Web site: https://www.mother-japan.com/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCW9HIXI_cvzyxAts8-WpP1Q
Instagram:https://www.instagram.com/okasaya/

Ayurveda | MOTHER | 日本
Ayurveda | MOTHER | 日本
”自分が自分の医者になる。人生を楽しみ切るためのライフスタイルの知恵” ー 世界最古の予防医学を人にも環境にも良い形で現 …
www.mother-japan.com

無敵のデトックス大全 – 溜まっているオトナを巡らせる! – (美人開花シリーズ)

新品価格
¥1,540から
(2022/9/8 12:26時点)

この記事を書いた人
佐々木 貴美
ホリスティック薬剤師。Holistic Life代表。調剤薬局で約7年の臨床経験、自然派薬局の立ち上げ・薬局長、漢方専門薬局での経験を経て、西洋医学だけでなく、中医学やアーユルヴェーダ、自然療法、美容、エシカルなどを融合し、「心と体を本質的に健やかで美しく、幸せに」をテーマにカウンセリング・講演・情報発信・WEBコンテンツ運営・監修などを行う。電子書籍「健康美を手に入れて自分を輝かせるための15の処方箋」著者。デッドスペース×広告のマッチングサービス「MACHISUPE(マチスペ)」PR。

関連してる記事