クローバーこどもクリニック 眞々田容子院長に伺う、「小児科における統合医療の可能性」とは?

クローバーこどもクリニック 眞々田容子院長に伺う、「小児科における統合医療の可能性」とは?

ウェルネスやウェルビーイングといった、心身の健康・生活の質の向上に着目したプロダクト・産業が近年注目を集めていることも後押しとなり、現代医療だけでなかなか改善しない病気や不調に対して、薬以外のアプローチで治療のサポートを行う、自然療法・代替療法・東洋医学などへの関心が高まっている中で、西洋医学もそれ以外の治療法もバランス良く融合した「統合医療(ホリスティック医療)」を実践するクリニックも全国的に増えつつあります。

そんな対処療法だけではなく、根本的な病気の改善・本質的な健康を目指すことができる「統合医療」を小児科の分野で実践されていて、発達支援センターの運営も行われている、東京・蔵前にあるクローバーこどもクリニック 眞々田容子院長に【小児科における統合医療の可能性】をテーマにお話を伺いました。

これまでの小児科医としての歩みや、開業に至るまでの軌跡

編集部:「現在は地元でもある東京・蔵前で『クローバーこどもクリニック』を開業されて、西洋医学だけでなく自然療法も取り入れた治療を行っている眞々田先生ですが、元々医師を目指すきっかけは何でしょうか?」

眞々田先生:「私は医師家系ではなく、父はサラリーマン、母は専業主婦という一般的な家庭で生まれ育ったのですが、中学・高校生の頃から人間の精神や心理に興味を持ち、勉強していくうちに医学部に入りたいと思うようになりました。

ちょうどその頃に友人を白血病で亡くしてしまうのですが、その時に友人から残された『早くお医者さんになって、私を助けて。私だけでなく、病気で苦しむ人を助けてあげて。』という言葉が今でも印象に残っており、医学部に入る後押しとなりました。

ただ、医学部に入学した頃は、初めての一人暮らしということもあり、料理もまともに作れなかったですし、ストレスも多く、そういった生活習慣が積もり積もって、大学4年生の頃にアトピーを発症し、頭を描くと痒くてふけが落ちるし、化粧もできないくらいで、ステロイドの塗り薬を使うと良くなるけど、やめるとまた症状が出るというのを繰り返していました。

そんな時、たまたま通っていたジムで出会ったおばちゃんに『あなた食事とか大丈夫?ちゃんと和食とか食べてる?サプリとかも使ってみたら?』とアドバイスされて、食生活を見直したのをきっかけに、みるみるとアトピーが改善していき、生活習慣の改善の重要さが身に沁み、その経験が現在の診療にも繋がっています。」

編集部:「なかなか病院ではそういった食事や生活習慣に関して、熱心にアドバイスをしてもらう機会は少ない気がするので、人生の転換点となる、素敵な出会いでしたね!」

眞々田先生:「やはり医師であれば、診断したら普通に薬を使うのが当たり前ではありますが、個人的には本当はもっとできることがあると思っていて。

私はアレルギーを専門としていますが、どんなにガイドラインに沿って治療を行っても、一定数治らない患者さんが存在するので、そんな患者さんに普段の食生活を聞いてみると、ファーストフードや加工食品をとる機会が多かったりして、食生活を見直すことで、早い方だと1ヶ月くらいで症状が良くなることもあり、やはり日々の生活を見直さないと、どれだけ治療しても良くならないという結論に至りました。

アトピーのガイドラインにも、どんどんステロイドの強さを強くしていって、最終的には免疫抑制剤を使うというような、薬の使い方に関しては記載されていますが、治療以外の予防法に関しては、ほんの一部しか記載されていないのが現状です。

ただ、どこかの病院に所属していると、3分診療でなるべく多くの患者さんを短時間で診察したり、病棟の稼働率なども意識する必要がありますし、自分自身も大学病院で働いていた時期は、日勤・夜勤通しで36時間連続勤務というハードな日もあったり、生活も不規則で、時間的にも気持ち的にも余裕がなくて。

薬を用いた治療だけでなく、根本的に食事・生活面から症状を改善していきたいと思うと、組織に所属している限りは時間的にも環境的にも実現が難しかったため、理想の医療を追求した結果、開業を決意し、現在に至ります。」

「統合医療」に目覚めたきっかけや、現在の診療において心掛けていること

編集部:「現在、西洋医学だけでなく、食養生や自然療法も取り入れた『統合医療』を実践されている小児科医はかなり少ないかと思いますが、眞々田先生が『統合医療』に目覚めたきっかけは何でしょうか?」

眞々田先生:「元々自然は好きでしたが、本格的に自然療法に目覚めたのは、娘が生まれてからですね。

もちろん薬で助かる人がいるのも事実なので、完全に否定する訳ではありませんが、『本当に体に良いものって何だろう?』『この薬って本当に健康を邪魔してないかな?』『もっと未病ケアでできることがあるのではないか?』と考えるようになり、アロマテラピーやフラワーエッセンス、ホメオパシー、東洋医学などを学んできました。」

編集部:「最近の患者さんは、自分自身でもインターネットや本などである程度知識をつけている方も多いので、幅広い視点からホリスティックにアドバイスをもらえる医師がいてくれると、本当に心強いですね!統合医療を行っている病院はまだそこまで多くないため、難しい部分もあるかと思いますが、普段の診療の際に心掛けていることなどはありますでしょうか?」

眞々田先生:「まずは『本当にこの治療は患者さんにとって本当に必要かどうか?害になっていないか?』を考えて、オーバーケアをし過ぎないこと。サプリメントを使うにしても、必要最低限を心掛けています。

現在は、量子力学的に全身の臓器・細胞の健康状態を15分くらいでスキャンすることのできるロシアの医療機器『メタトロン』も導入していて、『患者さんの訴えている部分だけでなく、その他に悪い部分がないか?』や、『栄養素の偏り、トランス脂肪酸・血糖値・合わない食材の蓄積はないか?』を客観的に分析し、診療に活用しているのですが、どんなアレルギーの方でも、メタトロンで検査すると、ほとんどの人が腸の部分が弱っているケースが多いんです。

食事や睡眠、排便、運動など、まずは生活を見直すところから治療は始まると思うので、お子さんはもちろんですが、お母さん自身の健康管理への意識を持ってもらうことも大切だと考えています。

また、患者さんが納得した上で治療しないと、どんな治療法でも成果が出ないので、しっかり納得した上でベストな選択をしてもらえるように、西洋医学・自然療法含めていくつか選択肢を提示した上で、患者さんの要望に沿った『患者主体の医療』を行うように心掛けています。

当院にはできれば薬は使わずに、自然療法メインで治療を希望する患者さんも多く来院されますが、状態によっては自然療法だけでは難しく、薬が必要な場合もあるので、その人の状態に合わせて治療法を提案するようにしています。

もちろん薬を飲まなくて良いに越したことはありませんが、もし今薬を飲んでいたとしても、薬を飲んでいる間に食事や生活習慣を同時に整えることで、徐々に薬を手放していければ良いと思っています。

ありがたいことに当院のスタッフは本当に勉強熱心で、食養生の指導ができるだけでなく、無添加スキンケアのアドバイザーやフラワーエッセンスの専門家もいるので、自分が全部やらなくても任せられる仲間がいると、自分自身も診療にも集中できるだけでなく、スタッフ自身もやりがいが増え、『チーム医療』で良いスパイラルが生まれています。」

編集部:「こういった病院がどんどん全国に広まって欲しいです!地方にお住まいで、身近に中立的な立場で相談できる病院がないという方でも、コロナ禍のオンライン診療の拡大は、患者さんの選択肢を広げるきっかけになりそうですね。」

眞々田先生:「医療に対して疑問を感じる人が増えてきているからこそ、患者側が医者を選ぶタイミングが来ていると思うので、ちゃんと疑問に対して真摯に向き合ってくれなかったり、違和感を感じるならば、セカンドオピニオンで別の病院に相談してみたり、納得・安心して相談できる病院・先生を見つけるためにも、オンライン診療を活用することでそういったハードルは下がるのではないでしょうか?」

クローバーこどもクリニックHPより引用

自分自身に正直であるために、小児科専門医を手放すという大きな決意

編集部:「先日、先生のInstagramの投稿で衝撃を受けたのですが、所属する学会のコロナワクチンに対する方針に同意できないため、日本小児科学会を退会したというのは本当ですか?」

眞々田先生:「本当です。昔ヒブと肺炎球菌のワクチン同時接種で、同時期に4名くらい亡くなったことがあり、その時はその時点で接種見直しで中止になったのですが、今回のコロナワクチンではそれ以上に多くの死亡者数・重篤な副反応が報告されているにも関わらず、日本小児科学会を含め、様々な学会がいまだにワクチン接種を推奨しており、強い違和感・疑問を感じます。

自分が所属している団体ということは、自分が良いと思っている考えになってしまうので、自分1人にそこまで影響力がある訳ではありませんが、自分が納得できないことをやり続けるということは、ずっと自分自身に嘘をついていることと同じ

頑張って取得した昔から憧れの小児科専門医なので、学会を退会することで名乗れなくなる悔しさもあり、かなり悩みましたが、専門医が名乗れなくても今の診療内容と大きく変わることもないので、自分自身に正直に大きな決断をしました。」

※編集部調べによると、2022年9月4日時点でコロナワクチンによる死亡者数が1420名、重篤報告数が7828名、副反応疑い報告数が34828名と厚労省が報告しています。(厚労省HP内のこちらの資料を参照)

ワクチンに限らず、世の中に溢れる健康情報を正しく見極めるために

編集部:「一時期コロナ予防に効く薬として、抗ウイルス薬や疥癬治療薬のイベルメクチンなどが話題になり、情報が独り歩きしていたように感じますが、そういった情報に関してはどう思われますか?」

眞々田先生:「どんな感染症に関しても言えることですが、ワクチンを打ったり、予防に良いとされる薬を飲んだからと言って、絶対に感染しない訳ではないので、最終的には自分自身の免疫力次第だと思っています。

コロナではなく、インフルエンザのワクチンにはなりますが、数年前に診療していて大まかに統計をとった際に、実際にインフルエンザに罹患した人の半分がワクチンを打った方、もう半分がワクチンを打っていない方で、不思議なことに、ワクチンを打っても入院が必要なくらい重篤な方もいましたし、ワクチンを打っていなくてもたった1日で回復した方もいました。

今後さらに違うウイルスが出現してくる可能性もありますし、ウイルスや細菌を悪者として完全に消し去るのは無理なので、これからは『未病対策』が重要

『コロナ予防に効く〇〇』という情報に限らず、世の中には健康に関する情報が溢れていますが、一般的に健康に良いと言われている食材でも、その人の体に合わない場合もあれば、何でも取り過ぎ・やり過ぎはかえってその人のバランスを崩してしまい兼ねないので、良くも悪くも、地味な日常生活が1番体に大きな影響を与えると思います。」

編集部:「コロナワクチンに限らず、小児科で診療していると、子供のワクチン定期接種に関するお悩みも多いのではないでしょうか?」

眞々田先生:「当院を受診する方の中でも、全くワクチンを打たない方もいれば、選択して打つ方、全部打つ方もいらっしゃいますが、『打つのが当たり前』という常識に流されての選択ではなく、その家庭の方針・考えを踏まえた主体的な選択が重要だと思います。

ただ、ワクチン関連の本も色々ありますが、読んでも難しい場合も多い上に、内容に偏りのあるものも多いので、中立の立場で意見をくれる医師に『どんなことが不安なのか?』を相談してみると良いと思います。

ワクチンに関して知りたいという方も多いので、一般の方々にワクチンに対する正しい情報を知ってもらうために、今後当院でも国立感染症研究所のデータを元にしたワクチンセミナーを開催したいと考えています。

もしもワクチンを打ってしまった後で後悔している方がいたとしても、色々対処法はあって、当院でもワクチン接種の前処置と、接種後のケアにドイツの医療機器を活用していますし、ワクチンを打ったとしても、日々を元気に過ごせる体作りや、いらないものを出していける体作りをしていくことの方が重要だと思います。」

ホリスティックな小児科医が見据える、今後のビジョン

編集部:「これまで着実に、自分に理想とする医療の実現に向けて1歩1歩歩み続けてきた眞々田先生ですが、今後見据えているビジョンなどはありますか?」

眞々田先生:「まずは、病気になる前にできる『未病対策』をもっと伝えて、広めていきたいですね。

それと併せて、現在クリニックに『発達支援センター にじのいろ』を併設しているので、子供の発達をいかに伸ばしていくか?という部分で、薬以外にもできることを伝えていきたいです。

将来的には、同じようなホリスティックな価値観を持った仲間達と協力して、食養生ができるカフェやお母さん同士が交流できるスタジオ、未病ケアができるサロン、クリニックなどを連携した『ホリスティックセンター』を作ることが最終的な目標です。」

編集部:「素敵なビジョンですね!今後未病への意識やホリスティックな健康観が広まることで、多くの方が救われるでしょうね。この度は貴重なお話を沢山お聞かせ頂き、本当にありがとうございました!」

※こちらの記事は、2022年9月15日に開催したインスタライブを元に執筆しております。アーカイブはこちらよりご覧頂けます。

PROFILE
眞々田 容子(Yoko Mamada)
クローバーこどもクリニック院長

〈略歴〉

  • 2001年:信州大学医学部卒業
  • 2001年~2002年:信州大学医学部附属病院小児科 研修
  • 2002年~2003年:市立甲府病院 小児科
  • 2003年~2009年:帝京大学医学部附属溝口病院 小児科 助手
  • 2009年~2015年:賛育会病院 小児科・新生児科 医長
  • 2015年~:クローバーこどもクリニック 院長

〈所属・資格など〉

  • 日本アレルギー学会アレルギー専門医
  • 日本ホメオパシー医学会 認定医
  • エピペン®処方登録医
  • NPO日本ホリスティック医学協会会員
  • こどもの心相談医

Web site:https://clover-kodomo.com/
Blog:https://ameblo.jp/yookoo21/
Instagram:https://www.instagram.com/yokomamada/

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この記事を書いた人
佐々木 貴美
ホリスティック薬剤師。Holistic Life代表。調剤薬局で約7年の臨床経験、自然派薬局の立ち上げ・薬局長、漢方専門薬局での経験を経て、西洋医学だけでなく、中医学やアーユルヴェーダ、自然療法、美容、エシカルなどを融合し、「心と体を本質的に健やかで美しく、幸せに」をテーマにカウンセリング・講演・情報発信・WEBコンテンツ運営・監修などを行う。電子書籍「健康美を手に入れて自分を輝かせるための15の処方箋」著者。デッドスペース×広告のマッチングサービス「MACHISUPE(マチスペ)」PR。

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