世界中のトップアスリートや経営者なども実践しており、近年注目されているマインドフルネスや瞑想ですが、5000年以上前からこういった心身のととのえ方・生き方の知恵を説いているのが、インド発祥の世界最古の医学としても知られる「アーユルヴェーダ」。
そんな古代の叡智「アーユルヴェーダ」を現代の日本人にも取り入れやすいようにアレンジして、アーユルヴェーダスクール開催、プロダクト開発・販売、コミュニティー運営などを行っている、管理栄養士、アーユルヴェーダ・ヨガ講師、MOTHER株式会社 代表取締役の岡清華さんに【日常に取り入れたい、日本式アーユルヴェーダ】をテーマにお話を伺いました。
事業だけでなく、個人としても大事にしている「生きる上での指針」
編集部:「前編では事業において、『何をやるか?(Doing)』よりも『誰と一緒にするから、何をするか?』を大事にしているということでしたが、誰とやるか以前に『どんな想い・在り方で何をするか?(Being)』など、何か大切にしている指針のようなものもありますか?」
岡さん:「自分個人として大切にしていることの中で1番しっくり来るのは、『自分が何の違和感もなく、心地良い状態』ということでしょうか。少しでも違和感を感じたら、一度立ち止まって、『本当にこれをすることは正しいのか?』を振り返って、自分自身の在り方ベースで物事を選択するようにしています。
短期的に自分が気持ち良くなることだけではなく、長期的に見て数年後振り返った時に、『本当に心地良くなるか?自分だけでなく、周りの人も幸せになるか?』という視点も持てると、将来的に今の自分の行動に感謝できるような選択ができ、心地良いだけでなく、自分自身への信頼・自信も何倍・何乗レベルで増やしていくことができると感じています。
逆に、自分自身の在り方を見失ってしまうと、「何をしたいか分からない。自分に自信を持てない。」という辛さや、負のループに繋がってしまう気がします。
自分と向き合い、自信を持つためにも役立つ、アーユルヴェーダの知恵
編集部:「現代人はSNSなどで誰かと自分自身を比較してしまったり、いつか自信を持つために今頑張ることばかりにフォーカスし過ぎて、今を蔑ろにしてしまう方も多いように感じますが、そういった方々へ『自信を持つためのアーユルヴェーダ的処方箋』のようなものはありますか?」
岡さん:「自信は元々あった訳ではなく、私自身も1番欲しいものでした。
SNSやメディア、街中で素敵な人を見ると、自分を劣っていると感じてしまったり、その逆も然りで、他人の悪い所ばかりが目に付いて、良い所を見ようとしなかったり。しかし、実際に見えているのはその人の表面的な一部分でしかなくて、人それぞれ悩みや欠点などを持ち併せているし、みんなそれぞれ完璧を目指すことは難しいと思います。
まずは他人のことよりも、自分自身を知り、すでに今自分が持っているもの・自分自身の持つ可能性に意識を向けること。自分自身を知ることから、自分を信じられる『自信』へと自然に繋がってくると信じています。
自分自身に意識が向いていないと、せっかく自分が持っている良い部分を持ち腐れしてしまうだけでなく、人以上に輝くこともできなければ、人に良い影響を与えることもできないですし、周りばかりを見て、焦って空回りを繰り返すことで、どんどん負のスパイラルに陥っていくような気がしています。
すでにあるものに目を向けるという意味では、私が提唱している「日本式アーユルヴェーダ」に通じる部分がありますね。」
編集部:「自分自身と向き合うためには、瞑想やヨガの実践にも繋がってくるのでしょうか?」
岡さん:「そうですね。ただ、元々私自身は落ち着きがなく、常に頭も心も身体も動いていないとダメなタイプ。そういった状態が続くと、自分が自分自身に対して疲れてしまうし、そんな自分が嫌で変わりたいと思っていました。
アーユルヴェーダやヨガを学び、実践していく中で、自分自身が1番苦手だった『心を落ち着かせて、立ち止まって内省すること』こそが、自分に本当に必要だったことに気付かされてからというものは、より真剣に瞑想に向き合うようになりました。」
編集部:「近年、様々なWEBサービスやアプリなども出てきて、瞑想を取り入れる方も増えてきてはいますが、まだまだ難しそうな印象を持たれる方も少なくないと思います。岡さんは毎朝6時から瞑想クラスを開催されていますが、瞑想をするにあたって何かコツなどはありますか?」
岡さん:「瞑想って方法論ではなく、本質的には『自分自身を見てあげる時間』。
現代人の多くが、仕事・家庭・PCやスマホの情報など、常に色んなところに意識が向きやすい環境にいると思いますが、瞑想を通して自分自身に目を向けることが、自分自身との信頼関係を築いたり、日々の中に穏やかさ・安心感・安定感をもたらしてくれて、しかもその効果は瞑想した時間だけでなく、1日中続くのですよね。
例えば、子供と両親、自分とパートナーとの関係でありがちなことですが、自分が何かを相手に伝えても、無視され続けたり、見向きもしてくれないと、『もう話しても意味ないや』と諦めてしまいませんか?同じようなことが、自分自身との関係性においても言えるんです。
これは私の体感ですが、瞑想している時間に自分自身がととのうというよりは、瞑想している時間があることで、自分の感情に目を向けたり、自分とコミュニケーション取れるようになり、自分自身や物事を客観的に見られるようになり、何かを選択するにあたっても自分自身の価値観に沿った選択が落ち着いてできるようになった気がします。
一度こういった感覚が身につくと、自分自身を置き去りにするようなことはしなくなりますし、自分が自分自身でいられるような選択ができるようになりました。」
良質なモノだけでなく、感動・作り手の想いを丁寧に届ける、「MOTHERブランド」へのこだわり
編集部:「MOTHERでは他にはないこだわりが詰まったプロダクトが多く、私自身も大好きで、オンラインショップでもお取り扱いさせて頂いていますが、プロダクトを作るにあたって意識されていることは何ですか?」
岡さん:「ありがとうございます。プロダクト販売を始めたのは、実はコロナ禍に入ってから。
アーユルヴェーダで1000の効能を持つとも言われる『ギー(バターオイル)』は、免疫力を高めることはもちろんのこと、現代人の心や身体を満たすために必要だと思い、私が毎日のように飲んだり、食べたり、肌につけている、本当に良いものを世の中に届けたい!と思ったのが最初のきっかけですが、いざギーを流通させようと思って調べてみると、沢山の障壁があり難しくて。
現在、MOTHERで販売しているギーは栃木県那須町で、ご縁のあった信頼できる生産者さんに作って頂いているですが、なかなか国産でグラスフェッドで放牧で作られているミルクは貴重ですし、それを手作りで丁寧に2〜3日の工程を経て作られており、大量生産は難しいですが、これだけ品質にこだわった新鮮なギーを作っているところは、日本中どこを探しても他にはないと思います。
ギーに限らず、他のプロダクトを作る際にも言えることですが、作っている方に直接会いに行った上で、『誰と一緒に作るか?』はすごく大事にしています。
プロダクトを作るにあたって、様々な職人さん・工場を訪れる中で、日本には世界に誇れるような素晴らしい技術があるのに、海外との価格競争に負けて、苦しい思いをしている職人さん・工場も多いことに気付かされました。
私自身も買い物に対してすごくシビアなので、ただ単にモノを買うのではなく、そのモノに込められた作り手の想いやストーリーに共感したり、『こんな素敵なものを買わせて頂いてありがとうございました!』と感動したり、応援や心地良い循環に繋がっていくような買い物が好きなので、MOTHERもそういった感動・良い循環を生み出せるようなブランドであり続けたいと思っています。
MOTHERの見据える、この先のビジョンとは?
編集部:「これまでの着実に積み重ねてきた努力から、今では多くの方に愛されるブランドへと成長を遂げた『MOTHER』ですが、今後目指すビジョンなどをお伺いできますでしょうか?」
岡さん:「これまでの活動を振り返って思うことは、自分が何かやりたいと思うことがあったとしても、『何をやるかよりも、誰とやるか』を大切にしてきたので、きっと今後も人とのご縁を大切にしながら、アーユルヴェーダを現代の様々な課題を解決していくために活かして、多くの方々の人生をより良くしていける方法を作っていくだろうと思います。
私自身もアーユルヴェーダをこれからもずっと実践しながら、周りの方々に健幸を広げていきながら、死ぬまでアーユルヴェーダを伝えていきたいというのが、私自身とMOTHERの目標でもあります。
私がアーユルヴェーダと出会った時に、1〜2ヶ月間海外の施設に泊まり込みで本格的なアーユルヴェーダの研修・食事・ヨガ・体験を行ったのですが、日本にはまだまだそういった体験ができる施設がないのが現状。将来的には、日本でも本格的なアーユルヴェーダの学び・体験ができるリトリート施設を作ることを最終的な目標に掲げています。
また、MOTHERの由来でもある、『MOTHER EARTH』や『MOTHER OCEAN』のように、それぞれの個性を認めて、その人の幸せを心から応援したり、アーユルヴェーダの知恵を活かして困った時には助けになったり、温かく包み込んでくれるような、誰かにとっての母的な存在であり続けたいとも思っています。」
編集部:「素敵!アーユルヴェーダのリトリート施設が完成したらぜひ伺いたいですし、今後のMOTHERの更なる進化から目が離せません!」
今回素敵なお話をお聞かせ下さった岡さんから直接アーユルヴェーダの活かし方や指導者としての伝え方を学ぶことができる、MOTHERアーユルヴェーダスクール第7期が開講間近!
アーユルヴェーダにご興味のある方はもちろん、自分自身のみならず大切の人のセルフケア・整え方を学びたい方は、ぜひこの機会に新たな1歩を踏み出してみては?
※こちらの記事は、2022年8月29日に開催したインスタライブを元に執筆しております。アーカイブはこちらよりご覧頂けます。
PROFILE
岡 清華(Sayaka Oka)
管理栄養士|アーユルヴェーダ・ラージャヨガ講師|Mother株式会社 代表取締役
1993年生まれ、兵庫県出身。武庫川女子大学にて食物栄養学を学び、管理栄養士の資格を取得。西洋医学的な健康理論・栄養学を学んだことにより浮かんだ疑問から、東洋的な観点に興味が湧き、アーユルヴェーダと出会う。大学卒業後、カウアイ島にて本質的なアーユルヴェーダを学び、その中で、全米ヨガアライアンスを取得。その後、ヨガクラス・栄養指導、「腸」に特化したフード開発、レシピ監修、イベント企画・運営などを手がける。2019年MOTHER創設、2020年Mother株式会社設立。
アーユルヴェーダの教えをより現代の日本にフィットさせる方法として“Japanese modern Ayurveda”を提唱し、ウェルネス空間のプロデュース、商品開発、イベント、セミナーなど、各事業を展開し、さまざまなメディアにてアーユルヴェーダを基にした情報を発信している。これまで累計5万人以上に、ヨガ/瞑想などを指導。2020年より、アーユルヴェーダの指導者を養成するスクールを開校し出逢った沢山の仲間と共に手を広げている。
Web site: https://www.mother-japan.com/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCW9HIXI_cvzyxAts8-WpP1Q
Instagram:https://www.instagram.com/okasaya/
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